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zoom RSS ある日の出来事

<<   作成日時 : 2011/10/23 22:10   >>

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それは先週の出来事だった。

その日ぼくは顧客であるSさんの自宅を仕事で訪ねた。(ちなみに、Sさんは昔は地元のTVにも出たりしてちょっとした有名人だったらしい)勾配のある坂を歩いて上りつめると、建築当時にその建物を見ようと全国から多くのひとたちが訪れたという、一風変わったSさんの建物が見えてくる。しかし、今回の話題はその建物ではない。
玄関に着くといつもなら愛犬のシーズーがけたたましく、もとい、賑やかに迎えてくれるのだが、どうも今回はその気配がない。もしかして死んでしまったのかな、と思っているところに、隣の敷地に建てた別宅からSさんが現れ、「アイツはこのまえ“みてた”」と寂しそうに一言。「いくつでしたか?」と尋ねると、8歳だったとのこと。う〜む、死ぬにはちと早かったなあ。そんな肩の落ちたSさんのあとについて本宅に上がる。そして、用件を伝え受け取るべく金額を伝える。「なんぼ?○○○円か、よっしゃ」と言ったまま、Sさんが席を立ち消えた。恐らく現金をしまっている場所に行かれたんだろうと思って、しばし外に眼をやると、しばらくしてかすかな呻き声が聞こえてきた。「?」と思っていると、またしてもその呻き声が聞こえてきた。耳を澄ますと、どうやらそれは建物内の声でSさんのようだ。ぼくは思った。一人暮らしだから安全のために秘密の場所にお金をしまっているのだろう。たとえば狭い納戸の奥の金庫とか、あるいは大きなモノを置いて開きにくくした金庫とか・・・一人暮らしとなった大きな家でそんなところからお金を出してこなくてはいけないから、かなり重労働を強いられて思わず声が漏れているに違いないと。やがてその呻き声が耳にはっきりと聞こえるほど荒くなってきた。もしかして心不全でも起こしてしまったのかも?という思いが一瞬頭をよぎり、人様の家で119番を呼ぶ羽目になるのか、という焦りにも似た思いが襲ってくると同時に、ここは冷静に対処せねばという思いも沸いてくる。「よし、急がねば」と、携帯を手に持ちSさんの声のする場所に行こうと立ち上がったそのとき、Sさんがやや下がり気味のズボンの前をほぼ全開状態にしつつ、右手でズボンを掴み、左手に現金を持ちふらふらと現れた。「○○○しよった。お金は細かいけんど、ちょうどあると思うき」


「みてた」とは土佐弁で、モノが無くなったときや、ひとが亡くなったときに使います。もっとも、いまの若いひとたちはほとんど使いません。この土佐弁は「お月様が満ちて一杯になるっように、人の人生が一杯まできて、満ち満ちて・・・」ということで「満てた」というロジカルな土佐弁らしからぬ土佐弁で、ぼくの好きな方言のひとつです。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
「アイツはこのまえみてた」のところ、
ワンちゃんの霊が飼い主を見ていたって意味なのかなぁ
と勝手に理解していたんですが、
なるほど、そういう意味でしたか。
ところで、「○○○しよった」の○○○にはやっぱりアレが入るんでしょうね。
お札を手に持っていらっしゃったようですが、ちゃんと手は洗われたんでしょうね(^_^;)
kiyotayoki
URL
2011/11/04 11:37
kiyotayokiさんの推測通り○○○です(笑)。

>ちゃんと手は洗われたんでしょうね

それなんですよ。多分洗われてないような気がしたんですが、まさか「洗いました?」なんて受け取るまえに確認できるわけにもいかず(笑)しかし、こんな経験は初めてでした。
のるぶ
2011/11/06 21:48

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