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zoom RSS 起終点駅(ターミナル)

<<   作成日時 : 2012/09/25 14:23   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

失礼ながらこの作家の存在はまったく知らなかったのですが・・・
このカバーを目にして「少女コミックか?」なんて思われて読むのをためらわれたアナタ。そんなアナタがこの本を手にとって読まれたら確実にぶっとぶことをワタクシのるぶが約束します。

画像
この本はいずれも北海道を舞台にした連作短編集で、六つの作品が収められている。そして、ここに登場するひとたちはみなそれぞれ仕事や家庭、恋愛といった悩みを抱えていて、市井に生きるぼくたちの悩みとなんら変わりはない。
最後に収められている「潮風(かぜ)の家」は・・・久保田千鶴子は30年ぶりに北海道西北部にある人口4千人に満たない故郷の天塩町に帰郷する。それは両親、弟の墓の永代供養を頼むためであった。30年前、強盗殺人で逮捕され、拘留中に自殺した弟。49日が終わると、当時24歳の千鶴子に、亡くなった母の親友だったたみ子は1万円を握らせ、すぐに町を出て行けと伝える。そのたみ子も85歳になり、千鶴子は30年ぶりに再会することになるのだが・・

かつて深い悲しみを味わった千鶴子とたみ子ばあさんとのふたりのやりとりには、抱きしめたくなるような愛しさと複雑な思いが詰まっている。
また、「海鳥の行方」「たたかいにやぶれて咲けよ」のヒロインである新人新聞記者・山岸里和と、「スクラップ・ロード」で登場する大手銀行を辞めてしまった主人公・飯島久彦といった若者が登場する物語は、ふたりの若者の緊張と絶望が顔を出す日常を淡々と丹念に描いて、読み続けていくうちにボデイーブローを何度も打ちこまれているような思いに捉われる。そして、それらの痛みの結末に救いを差し出すというセンチメンタルさが一切排除されていることに納得する。それはこの作品がハードボイルド小説と呼びたい味わいをもっているからにほかならない。聞けば編集者が「無縁」をテーマに書いてほしいとのことで始まった小説だとか。ここが肝だ。なぜならば、昨年の震災が起きてからよく使われる「絆」という言葉と対極にあるものがここにあるからだ。生と死、表と裏、だれもがいつもどちらかに変わる可能性を秘めて生きている。しかし、それだからこそ、作者がこの小説のタイトルを“起終点”とつけた“終わりから始まる”という言葉が身に沁みてくる。

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コメント(2件)

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のるぶさん。
面白そうな本ですね。
買ってみよう!
HamaVenturini
URL
2012/09/27 22:53
ハマヴェンさん、この小説は少々ヘービーな内容なのですがオススメです。
のるぶ
2012/09/28 11:49

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